「なんでも要望をおっしゃってください」
なんて始まるヒアリング。
これって非常に危険です。
特に要望をどんどん打合せ記録に書き写していくだけの打合せは危険度が高いでしょう。
本来ならば「資金計画」をしてから要望を聞くのが筋です。
どれだけ予算が有るのかが分からない状態で要望を聞くのは話が逆になっています。
しかも要望という名の「欲望」を聞きまくると言いたい放題の事ばかりになってしまうのは世の常ですね。
そして最後はお決まりの「予算オーバー」です。
資金計画をしっかり立てる事で、どのくらいの大きさの家が建てられるかが見えてきます。
建てる家の仕様がしっかりと決まっている会社であれば平均値で予算は組める。
大きさが決まれば、それを要望で大きくするという事は「予算を超えますよ」という意味になります。
つまり、要望は「お金は大丈夫でしょうか??」という質問で判断できるという事です。
「広いリビングが欲しいです」なんて言われても「今の予算では12帖ぐらいです。
それ以上広げると予算が足りません」となるわけです。
基本的には仕様変更はしません。理想の家の姿が壊れるからです。
そうなると大きさで調整するしかない。
予算が決まると家の大きさが決まる。
それが普通なんでしょうが世の中の住宅会社は全くの逆で動いているんですね。
色々な要望を聞いた後で資金計画を行う。
するとすでに予算を超えるプランが出来ていたりするわけです。
中には!!「怖くてお金の話ができない!!」みたいな営業マンが居たりしますからね。
お金の話がなかなか出て来ない場合は気を付けた方が良いと思います。
さて、予算で家の大きさが決まるって書いています。
この世の中は以前「大きな家が良い」という考え方が残っています。
でも、それはそれで危険なんですね。
子育てが終わった家には夫婦が二人って事になる。
そしてよく考えると子供が出て行った後の時間の方が長い事も分かります。
つまり、そんなに大きな家は不要であると言える。
どんな家を建てるのか??まあ、色々と夢や希望が有る事でしょうが「最後は二人」という事も頭に入れておかないと無駄な事に投資する事になります。
言っておきますがその投資の回収はできません(汗)
よく考えましょうね。
最近よく見かけるプランですが「玄関からトイレのドアが見えている」ってやつ。
面積の効率を考えての事でしょうが、玄関の中に人が入ってきている場合はトイレは非常に使いずらいという事になります。
「トイレを借りる人が家の中に入って行かないように玄関にトイレを作っています」
なんて言う人がいましたが「その家は誰の家なんですか??」って返したい。
大体、トイレを借りる人優先なの??家にトイレを借りに来る人なんているのでしょうか??自分は見た事も聞いたこともありません。
そんな事を想定しての設計はあり得ませんね。
それよりは家に住んでいる人がゆっくりとトイレを使えて、水道工事費が安くなるように設計した方が良いでしょう。
水周りをまとめて玄関から洗面所のドアが見える設計も見かけます。
これは年頃のお嬢さんとか居た場合、お風呂から上がって洗面所の外に出た瞬間にお客様と鉢合わせになる可能性が高いですね。
お互いが気不味い。
そんな設計はしない事にしています。
が、最近、チラシなどでよく見かけるプランになっていますから恐ろしいですね!!
経験の浅い設計者か、素人の営業マンがプランをしているのでしょう。
家は長い時間を過ごす場所です。全てが快適に過ごせないとダメでしょう。
設計上の問題で不快な事になるのはあまりよろしくありませんからね!!
色々な事を想定しての設計がいいですね。
だからお客様に「どうしますか??」って聞く事はあまり良い事ではないと考えています。
「うちの家は収納が少ないんですけど??」
「それはお客様からのご要望が無かったからですね」
「私が言わなかったのがいけないという事ですか??」
「そうですね。うちは注文住宅なのでご要望が無い場合は対応できません」
「それは変ですよね。プロの提案とかしていただけないのでしょうか??」
「システムが注文住宅なので・・・・・」
「・・・・・・」
こんな会話が行われているのは「注文住宅」って事で言われた通りに家を建てていく会社の様子です。
要望が無い事は設計しないって会社です。
この場合は、そんな会社を選んだ人が悪いと言えますね(汗)
自分の建てる家に理想のものが無いって事です。
なので言いなりに設計して建てていく。
住んだ人がどうなるのかは考えていません。
そんな失敗をしたくない人は、検討している会社の建てた家で、すでに人が住んでいる家を見に行く事が肝心ですね!!
どんな流れで家ができたのか??そこを聞いてみた方が良いでしょう。
「今度家を建てる場合はどうしたいですか??」
なんて聞いてみると、ここに色々な事が出てきた場合は「危険な会社」という事になります。
要望通りに建てられた家って事です(汗)
プロのアドバイスは入っていません。
責任を取りたくないので提案はしない。
会社の方針に従う事が大事で「家に暮らす人の事」などまでは考えない人なんでしょう。
同じ性能なら安い方が良いでしょう。
でも、同じ性能が有るとは思えないから、安い家は危険だと思いますね!!
今や量産メーカーの家は坪単価が100万円を超えています。
そんな中で坪単価が50万円以下だったり本体価格が1,000万円だったりする家が存在しています。
何が違うのか??全てが違うって事になります。
一度、ローコストメーカーと隣同士になって家をっ建てた事が有りました。
その家は建売でしたが、土地建物で2,500万円ほどです。
当時でうちの家の土地と家の総額が3,900万円ほどでしたから、同じ条件での事です。それで1,400万円も違う。
安かったのですぐに売れましたが、そこからが恐ろしかったです。
なんと引っ越す前にリフォームが始まった!!
窓にシャッターを付けたり、網戸を付けたりです。
外構工事もほとんどしてなかったので外構工事も同時に進んでいく。
リフォームが終ってやっと引っ越しです。
うちの現場で見学会をやりナイターをしているときに外に出てみてビックリします。
うちの家の中の音は全く外にはもれていませんでした。
ところが隣の家からは中の音やしゃべっている中身まで聞こえてきます。
つまり、断熱材が入っていないという事でしょう。
当然ですがサッシはアルミサッシでガラスは単板ガラスです。
外壁も一番安いものが使われていて壁のコーナー部分は板金での処理になっている。
まあ、安い仕様だからしょうがないですね。
給湯機もガスでした。
当然キッチンもガスでしょう。
光熱費が上がるだけですね。
家は安いけど光熱費が高い家です。
メンテナンス費用も掛かる家ですから、すぐに家に関わるお金は同じぐらいになってしまう事でしょう。
最後は高い家に変身します(汗)
「リビングダイニングで18畳あるんですけど、エアコンは何畳用が良いでしょうか??」
なんて電気屋さんで聞いた場合、
「18畳で木造でしたら18畳用より大きめがいいでしょう」
って事で18畳用か20畳用を勧められると思います。
理由は簡単で「売り上げが上がるから!!」です。
長期優良住宅の場合であれば「外皮計算」なるものを行っています。
これって新しい断熱基準で、家から熱がどれぐらい逃げていくかの計算です。
この基準をクリアしないと長期優良住宅には認定されません。
この計算をしていると1時間当たりどれだけの熱が逃げるか分かる。
それが分かるとエアコンの能力がどれぐらいで大丈夫かもわかります。
自分はその数字で計算してエアコンの大きさを決めています。
なので平屋の30坪の家だったら高性能エアコンの6畳用一台で十分です。
とあるメーカーの6畳用エアコンの定価は34万円で20畳用が61万円ですから、電気屋さんは計算をしないで大きさだけで売った方が良いわけです(笑)
お客様に6畳用で大丈夫だと伝えて電気屋さんに行くと必ず、「こんな小さいエアコンだとまるで効きませんから、畳数に合わせた方が良いですよ」
ってお店のマニュアル通りの話法で返されるわけですね。
まあ、それが普通でしょうからね。
我々技術者はちゃんと計算をして数字小で判断しますからね。
無駄なお金は使わせません。
世の中には裏側が有り、闇の世界が広がっています。
分かっているけど分からないふりをする。
それは誰のためなのか??
多くの場合は自分自身のためなんでしょうけど、それではいけないと思います。
「クローゼットを洗面所に設置したら家事が楽ですよ!!」
なんて事で洗面所に作ったクローゼット。
実際に洗濯物を干してたたんで収納するには便利な場所です。
が、梅雨時期は困った事が起きます。
それは「衣類に生えるカビ」の問題です。
長雨が続くとどうしても家の中の湿度が上がります。
湿度と温度のバランスが良いとカビが発生します。
クローゼットは多湿になり、衣類はカビだらけ!!
すぐに気が付けばまだいいでしょうが、気が付かぬまま時が過ぎたとなれば大変です。
虫が来る。大事な洋服に穴が開くって事になります。
そうしないためには「調湿できる内装材」って事が大事になるわけです。
温度が高くても湿度が低いとカビは生えません。
湿度をコントロールできる材料がクローゼットの中の衣類を守ると言っても良いでしょう。
世の中には色々な「調湿する内装材」が有ります。
それの何を使うか??その判断は難しいですね。
調湿と言っているけど吸うだけ吸い込みださない物の方が多いからです。
「だったら湿度が低くて良いのでは??」ってなります。
でも、吸い込んだ水分が腐る。
するとどうなるか??変な匂いがしてくることになる。
今度はこれが問題になります。
エッグパルプは湿気をちゃんと吸ったり吐いたりをして適度な湿度に調整してくれます。
なので安心ですね!!
クローゼットを湿気の多い水周りに配置する場合は、調湿できる内装材か除湿器みたいな機械で調整できるもので処理しておかないと衣類が大変な事になるという事は頭に入れておく事が大事です。
機械でやると電気代が発生しますからそこも考えておく事ですね。
内装材でちゃんと調湿できるのはエッグパルプがベストです。
運の良い事に「消臭効果」も付いてきますからね!!
クローゼットの設計は湿度の事をよく理解できている建築士としないと大切な衣類を台無しにする可能性が有りますから要注意ですね!!
家を建てるには「住宅ローン」としっかり向き合う事が大切になってきます。
なので住宅ローンを組むために必要な事を今日は書いてみます。
現金で建てる人も、たまにはいらっしゃいますが、稀なので多くの人は住宅ローンを使いますからね。
まずは「安定した職業に就いている人」という事が大事ですね。
家を建てるのに転職を繰り返している人には銀行は融資しません。
国家資格を持っていたりするとかなりの好ポイントにはなります。
収入の安定性が第一ですね!!
次はローンなどの事故の有無です。
電話料金の延滞とかあるとローンが通らない場合が有ります。
ローンの延滞も同じ事です。
税金の延滞はお話しになりません・・・・・
次は年収がいくらあるのか??
税込み年収の大体で6倍は借り入れできます。
500万円だったら6倍の3,000万円が借り入れできる金額になるという事です。
さて、ここで問題になるのが「既存の借り入れ」です。
車のローンとかがあると返済比率の問題で6倍ではなく4倍とかになりますのでご注意ください。
なので、家の計画が始まったら大きな買い物は我慢する事ですね。
あとは「健康」です。
住宅ローンには「生命保険」が付いてきます。
つまりローンの契約者が無くなられた場合はその人が加入した生命保険でローンの残高を支払う事になる。
生命保険に入れなかった人はローンは使えないという事です。
歳を取ると取るだ健康状態に何らかの不調が出て来ます。
それが生命保険に加入できない症状の場合は住宅ローンは組めません。
出来るだけ若いうちが良いと思います。
ご主人が健康体のうちに住宅ローンは組むべきですね!!
まあ色々とあります。
そんな住宅ローンに詳しい会社で建てるのか??
無知な会社で建てるのか??
それで同じ価格の家でもローンの総支払額は大きく変わってきます。
出来るだけローンについて明るい会社で建てる事をお勧めいたします!!
土地を探すときに不動産屋さんに行く事はごく普通です。
土地を販売しているからですね。
でも、色々な不動産屋さんが有るので気を付けた方が良いでしょう。
中には「探している土地」ではなく「不動産屋が売りたい土地」を売りたがる場合もある。
気を付けましょうね!!
では、そうならないためにはどうするか??
簡単です「建築士と土地を探す!!」って事です。
建築士は建築のプロです。
なので土地にどんな家が建てられるかがすぐに分かる。
つまりはお客さんが望む家が建てられる土地かどうかも判断できるわけです。
最終的には家を建てる事が目的なので、土地まで建築士にお願いする事が近道になる事になります。
これが不動産屋で土地だけ買って、それから住宅会社を決めるってなった場合、
「この土地ではご要望のような家は建てられませんよ!!」
ってなる事が有るかもしれません。いや、ありますね(笑)
それを避けるためにも建築士と探す事が良いと思います。
自分はそうしています。
その方が時間も短くて済みますし。
家のプランとかを候補地に入れ込んで資金計画まで行えば一発で決まります。
わずかな時間で全てを決める事ができるというわけです。
ただし、全ての建築士がそう出来るか??それは疑問です。
住宅会社の仕事の進め方などを聞いて判断するしかありません。
自分は不動産を取り扱わないので売りたい土地は持っていません。
なのでフリーの形で土地を探す事ができます。
土地が決まったら家も決まると考えた方が良いでしょうね??
何事もそうですが「本質」を見る事が大事だと思います。
家であれば家の本質を見ないといけません。
本質が無い家は非常に危険だとも言えます。
なので今日は家の本質のお話しです。
家の本質とは何か??
これはかなり分かりやすいですね。
まずは「安全」でしょう。
災害に強く安全に暮らせる事が大事です。
地震や台風に強い家が良いという事です。
ただ「地震に強いよ」とか言う事ではなく根拠が有るかどうか??
ちゃんと構造計算されているか??
数字のデータが有るかどうかって事ですね。
安全は目で確認できます。
次は「安心」でしょう。
シックハウスにならないか??
住んでる人が健康に暮らせるのか??
って事になります。
家の中の空気はどうなのか??
「日本の基準をクリアしているから大丈夫です」
って事で良いのか??
「自然素材を使っているので安心です」
って事で終わらせるのか??って事です。
そこには本質ではなくなんとなくのイメージしかないわけです。
自然素材=安全ってことは無い。アスベストは自然素材ですからね(笑)
最後は「快適」でしょう。
寒かったり暑かったりでは大変ですからね!!
そこには家の中と外部がしっかりと遮断されていることが大事になってきます。
さて、これらの本質を見分ける方法は簡単です。
家に住んでいる人に聞く事ですね!!
地震の時はどうだったか??
空気はどうか??快適なのか??ってね。
正直に話をしてくれます。
本質が有る家であれば自慢話をしてくれると思います(笑)
なんだかんだ言っても家は設計者次第で変わると言えます。
なのでどんな設計者に依頼をするかで決まるって事でしょう。
でも、多くの住宅会社は「注文住宅」とか言ってお客様の言う通りに建てるのが常です。
そうなると、恐ろしい事にお客様の知識次第で家は変わるという事になります。
それはおかしい。
なのでそんな会社に依頼するのは考えたほうが良いでしょう。
家は総合力です。
断熱性や耐震性やデザインなどを総合的に考えているかどうかで決まると言えます。
設計者の認識がどうなのかって事でしょう。
不勉強な設計者だったらアウトですね。
設計担当に少しでも疑問がある場合は変えてもらった方が良いでしょう。
良い家は建ちませんからね。
建築士の免許を持っている段階でプロなんでしょうけど提案してこない人も居ます。
「どうされますか??」
なんて聞いてこられたらアウトでしょう。
素人が分かるはずなどありませんからね。
こんな会社で家を建てたら、引き渡しの時には恐ろしいくらいの建築の知識を持っている事になります。
が、無駄な事です。
そしてそんな人がかならず口にするのは「今度建てる時には・・・」という後悔の言葉です。
素人のにわか勉強なので判断が甘い事が多すぎる。
しかも自分で決めているので責任の転嫁はできません。
だから全てを後悔するのでしょう。
設計者は言われたことを図面にするだけです。
これは設計とは言えません。
作図ですね。
なので多くの設計者は図面を書く人になっています。
知識はあるけど責任は取りたくない人です。
意味ないです。
良い設計者に巡り合う事が大事でしょう。