家造りで起こる後悔の中で一番多いのは「予算オーバー」でしょう。
限られた予算で計画を進めていくのになぜか起こる予算オーバー。
どこに原因があるのか??
ほとんどが住宅会社の担当に原因があります。
経験不足とかプロ意識の欠落とかが主な原因です。
予算を最初できっちりと決めていない事や、要望の受け過ぎとかが具体的な要因になります。
お金の話を曖昧にしてスタートすると必ず予算オーバーは起きると考えた方が良い。なのでお金の話もせずに、「たたき台のプランとかを作ってみましょうか??」
なんて営業マンが言い出したら危険です。
資金の裏付けのないプランなど意味がない。
そのたたき台を元に要望を聞き出したら止まらなくなるのが工事費です。
お客様は「予算内で納まる」と考えているし、営業マンは「お金は有るんだろうな??」って考えながらやっています。
結果は恐ろしいぐらいの予算オーバーになる。
なので最初に資金計画をしっかりと立てて、それから家のプランをする。
資金計画で建物の本体価格も決まります。
すると面積も決まる。
仕様が決まれば必然的にそうなるわけです。
そうなると要望とか聞けません。
資金計画がおかしくなる。
なので「資金計画をオーバーしますが大丈夫でしょうか??」って事で確認ができるわけです。
プランを出した時に「リビングをもう少し広くしたい」とか言われても資金計画をオーバーするという事で判断していただける。
すると予算オーバーは起きない。
お金の話をしない要望ばかり聞くと工事費は上がり続けます。
つまり、家がどんどん大きくなる。
使わない「ゲストルーム」とかが出てきたりしたら恐ろしい予算オーバーでしょう(笑)
夢と同時にお金も膨らむのが家づくりです(爆)
それを制御するのが我々、プロの仕事なんですが、意識の低い会社ではそれが出来ない事が多いようです。
予算オーバーはお互いの悲劇です。なのでそんな事が起きない会社で建てた方が良いですね。
それを見分けるのは簡単です。
「たたき台のプランを作りましょうか??」とか「取り合えづどんな家が良いかお話しください」とか、お金の話の前にしてくる会社ではやらない事ですね!!
他の会社が建てた家を見に行くことがあります。
そんな時は何を見ているのか??
まあ、技術的な事とか納まりとかも見ますが、私はその家がどんな経緯で出来て行ったのかを見ます。
間取りを見るとそれが、どんな感じで進んだのか大体ですが分かります。
一番多いのがお客様の要望に振り回された家です。
これはあちこちにいびつなヵ所が出ているのですぐに分かります。
特に構造をいじめていることが多いです。
要望を通すために構造が破綻しているんですね。
地震が来たらどうするのっていうような家です。
専門の人はそこに気が付きます。
それでそこを質問するとほとんどが「お客様のご要望でそうなりました」という答えが返ってきます。
そこを修正するのがプロの仕事。
言いなりに仕事するのは素人です。
家を見るとプロ意識も見えてくるという事になります。
素人が見ても分からないでしょうが、感じ取るんでしょうね??
そんな家を建てる会社には要望をたくさん言うお客様が増える事になっていきます。
「何でも言う事を聞いてくれるのよ」って、建てた人が話すからでしょう。
さて、家の考え方なども見学の時に分かる事になります。
何を優先していくのか??優先順位が無い会社ほど言いなりの家が多い。
そんな会社は多くの人にアピールするために色々な家を建てて行きます。
なので見学会とかあったら見に行くとその辺りは分かるはずです。
毎回違うからです。
家も作り手に答えが無いとブレまくるものになります。
なので建てる会社に答えがあるのか無いのかで建てる家が大きく変わってしまう事になる。
「何でもできます」は危険な言葉なんですね。
「うちの使う断熱材は高性能なんです!!」
なんて断熱材の話をする会社には気を付けたほうがいいです。
断熱性は断熱材では決まらないからです。
では、なんで決まるのか??家全体の考え方で決まります。
断熱材だけ高性能でも窓の事を考えないと窓から大量の熱が出入りします。
窓の面積をできるだけ小さくする事が断熱性能を上げるポイントです。
なので高断熱をアピールする会社の家の窓が大きな引き違い窓とかだったら言うほどではないと考えたほうが良いでしょう。
ガラスの種類も問題です。
ペアガラスは当たり前で、それが遮熱なのか断熱なのかでも変わります。
総合的にどう考えているかが問題ですね??
断熱性能を上げると家の間取りの考えも大きく変わります。
局所での冷暖房を考えなくてよくなります。
なので中のドアとかの間仕切りが少なくなるのが高断熱の家の特徴でもあるのですが、なかなか無いですね。
昔ながらの扉だらけの家がほとんどです。
設計者が体感していないからですね。
外皮計算とかをやると家をどう設計すると数字が落ちるかがよくわかります。シンプルが一番です。
複雑な家は表面積が大きくなりますので断熱的には不利。
「デザイン優先で断熱とか耐震は優先順位が低いんです」
って会社もありますので、デザイン優先の場合は諦めるしかないでしょうね。「デザインは我慢」って安藤忠雄先生の家の住む人が言っていそうです・・・(笑)
で、断熱性能の高い家の見学会に行くとその会社の人は断熱の話などしません。
「どうですか??」
って今の状況を聞くのが普通です。
そのままの世界があるんですから説明は不要なんです。
なので色々という会社は気を付けた方がいいですね。
同じサイズで同じような機能を付けているキッチン。
扉を変えただけで値段が大きく変わるんです。
理由は簡単で「扉の素材で値段が変わる」って事です。
だから、同じ機能でも扉の色を変える事で値段が変わる事を理解して設計をしておいた方が良いという事になります。
扉がオープンになれば人の目にさらされる。
だからある程度良い扉にしたいのは人の心理でしょう。
だったら見えない対面キッチンが良いという事になる。
対面だったら自分だけしか見ません。
扉などなんでもいい事になります。
奥様の好きな色で十分です。
人の目に触れないように設計することがコストダウンになるって事です。
最近はキッチンまでインスタ映えするように設計する人が増えています。
仮に100万円のキッチンがあります。
扉を最高グレードにしたら200万円になりましたってなります。
100万円のキッチンの扉は印刷物のシートでしょう。光沢もありません。最高グレードは天然木のピアノ塗装仕上げです。
つまり、家具仕様って事です。でも、できる料理は同じ。
機能は一所ですからね!!作る人が同じであれば、味も一緒です。そこにお金を投資するのかって事です??
途中のグレードも「鏡面仕上げ」とか表面が光沢をもって居たり、扉のどこまでが仕上げられているのかで変わってきます。
この辺りは予算の範囲で決めたらいいと思います。扉の表面の問題です。耐久性とかにはあまり関わってきません。
色で変わるともいえるキッチン。
決めるときは予算に応じて選ぶことが大事でしょう。また、設計もそうですね。一言で大きなお金が動きます。
「次は窓の打合せですが、窓はどんな窓にしますか??」
「そうですね。出来るだけ明るい家が良いので大きな窓が良いです」
「分かりました。窓はできるだけ大きくですね」
「それと風を入れたいので通風を考えてもらえるかしら」
「はい分かりました。とりあえずその辺を考慮してこちらで考えてみます」
「お願いします」
って事でプランの窓が配置されて行いきます。
これは普通の事ではありますが実は非常に危険な事でもあります。
なぜかというと「窓」は断熱を考える上で大きなパーツになるからです。
窓を変えると断熱が大きく変わっていきます。
なので、窓はプロが考え配置するのがベスト。
だから窓の素材から窓のタイプにガラスの種類などを合わせて、窓は決めていくわけです。
断熱性能を予算に応じて変更する会社もあるかもしれませんが、うちは全て同じにしています。
なので、窓はどの家も同じ商品になります。
「大きな窓」=「断熱性の低い家」となって行きます。
これは数字ではじけるレベルになるので分かりやすいのですが、計算していない人も多いって事ですね。
まあ、断熱はあまり気にしませんって人も居るとは思いますが、住んでみると明らかに違ってきますからね!!
「窓はどうしましょうか??」
って事を聞かれた場合は断熱に無頓着な会社であると考えた方が良いでしょう。
断熱をしっかりと考えている会社は窓の種類をお客様に考えさせる事など無いはずです。
アルミサッシなのかアルミと樹脂の複合なのか、それとも樹脂なのか??でも大きく変わります。お金も性能もです。
ガラスも普通のペアガラスなのか遮熱のLow-eなのか断熱のLow-eなのか、ペアの中が空気なのかが素なのかでも変わる。
その辺りは勉強をしていないと分からない事だらけです。お気を付けください。
最近の家では「家事動線」って言葉がよくつかわれています。「家事動線が良いので家事が楽にできます」なんていう感じにですね。
で、この家事動線は誰が考えているのか??多くの場合は「設計」の人が考えているはずです。
で、そこで問題になるのは「その設計の人が家事をしたことがあるのかどうか??」になってきます。家事をしたことのない人には難しいからですね。
料理をしたことのない人はキッチンには何が収納されているのか??なんてことも分かりません。だから設計のしようがない。
パントリーがなぜ必要かが分からないから設計に入っていなかったり、やったことが無いので食料品や料理の道具などこにしまえばいいのかが分かりません。
洗濯も同じ事です。「洗濯物は2階のベランダに干してください」なんて簡単に言いますが、濡れた洗濯物を2階に持って行く事がどんなに大変かがよく分かっていないて、洗濯は重労働って事です。
さて、干した洗濯物は取り込んでたたむ事になります。たたんだらしまう。その行動を1か所で出来たら楽になります。
エイジングハウスのお家ではこれができます。調湿する壁を使うから洗面脱衣室に洗濯物干しとクローゼットまで併設可能で、そうすると洗濯という家事が相当に楽になります。
これは究極の方法ですが、家事を省略したい場合は干して乾いたら着るって方法もあります(笑)
ただ、これを普通の家で設計すると、生活の中で「カビ」の問題が出てきます。大クレームになりかねないのでお客様の要望でもやらないほうが身のためでしょう。
「安い家は今のうちですよ。2020年には断熱基準が変わって建てられなくなりますからね!!」なんて言っている会社があるそうです。
2020年には断熱基準が変わり、平成25年度基準で無ければ家は建てられなくなることは事実です。
でも、それは総合的な意味合いで断熱レベルを上げるという国の動きです。
低レベルな家だらけになると、エネルギーの無駄使いになるりますし家の寿命も短く、その家に住む方の健康リスクさえあります。
そこまで理解できていたら、安い家がどんな生活のなるのかぐらいはある程度想像できると思います。
住み心地の悪い家を安いお金で建てる、ただ安いって言っても普通の家の半分とかではありません、家だからそれなりのお金にはなります。
そこもよく考えた方が良いでしょう。
カップラーメンとラーメン屋さんのラーメンぐらいは違います。
中にはカップラーメンよりまずいラーメン屋さんもあるので要注意ですけどね(汗)
一番気になるのが、2020年になりました、なので今日から断熱性能を上げます!!ってやる会社です。
それは無理です。
私達もそうでしたが、最初はどうしたら良いのかが分かりません。
それからも試行錯誤しながら色々と変更を重ねています。
だから、最初からは上手く行きません。
未だにやっていない会社とは大きな差となっています。
それと設計が違います。
今の家は性能ありきで設計していますから、10年以上前の家ではできていなかった間取りとかが存在しています。
性能で間取りも変わるという事です。が、やった事の無い会社は理解不能でしょう。
早くやっている会社が断然有利になっていきます。
昔の家は湿気の対策をしっかりと取っていました。
湿気の多いお風呂やトイレは別棟で建ててあり、台所も土間になっていて他の部屋から一段低くなっていました。
湿気を含んだ空気は重たいので、低い位置に溜まります。
なので生活空間に湿気はこもらなかった。
また、気密性能が低く、隙間風だらけ。
よって湿気もすぐに外部に逃がせる事になっていたわけです。
ところが、人が便利さを求めた事により、お風呂とトイレが家の中に侵入してくることに。
台所も他の部屋と床の高さが同じになって行きます。
しかも、隙間風を嫌い、外部の建具がアルミサッシになり
気密性能が一気に高くなっていきます。
すると問題になって行くのが湿気の問題です。
家中に湿気がこもるようになる。
その結果、冬場には窓ガラスが結露する。
夏はタンスの裏やタンスの中の衣類がカビたりするといった被害が出始めるわけです。
それがそれだけで終わっていればいいのですが、その後悪循環が始まります。
湿気が多くてある程度気温が高く栄養分があると「カビ」が発生します。
なのでカビが生えない環境にするには
この要素の一つを無くする事が大事です。
気温を下げるには断熱性能を上げる事で解決します。
湿気を下げるには気密性を落とすか内装材で調湿させるかでしょう。
するとカビは生えません。
カビが生えると何がいけないのか??家の中で食物連鎖が起きるからです。
カビを食べるダニが繁殖しますし、そのダニを食べる大型のダニも繁殖する。
すると家の中の空気にカビの胞子とダニの死骸やフンなどが浮遊します。それを人が吸い込む。
その事が原因で色々なアレルギーが発症したりします。
なので家の中の湿気対策は重要だといえるわけです。
エイジングハウスの家は高性能な家に自然素材を使い、空気の対策を行っている家です。
なので空気が綺麗です。
その証拠は「匂いがしない事」でしょう。
新築の匂いも生活臭もしません。
ここは大きなポイントなので
見学会でも鼻に神経を集中する事をお勧めします。
色々な住宅雑誌があります。
どれもこれも良さそうな会社ばかりですが、本当はどこが良いのか??なかなか分らないと思います。
実際に見てみないと分かりませんが、雑誌の中身でどこまで分かるのか??最初に判断するのはその会社の最初のキャッチコピーです。
その言葉の意味が分からない場合は、家の中身も分からないでしょう。
具体的に的確に言い表せないからぼかしてしまっている場合が多いです。
文章もなにが言いたいのかよく分からないというのも危険でしょう。
特に危険なのは「お客様の要望で」と言った逃げの文章です。
言ったとおりに建てる会社という事ですね。
また、設備の事とか地震の事だけを書いているのも危険です。
他に書く事が無い場合が多いでしょう。
家はそれを含めて快適に暮らすものです。
パーツの説明は要りません。
冬の取材であった場合、その家族の格好もヒントになります。
着ぶくれている家族が写っていたら「断熱性能が低い」って事になります。
スリッパやマット類が敷かれている家は床が冷たい家でしょう。
これも快適な空間であるとは言えません。
スリッパなど洗いません。ずっと履き続ける。
かなりの不衛生だと思いませんか??なので使わない方が良いと思います。
開放的な大空間とかの写真も耐震的にはあまりお勧めではありません。
北海道みたいな地震が来ると倒壊の危険性が高いと考えましょう。
大きな窓も同じです。
開放的に見えるものは耐震的な補強がしてあるのかどうか??構造計算で裏付けされていたら問題はありませんが・・・・
最後に「変に印象に残る写真」があったらそれは危険です。
長い時間を住む家で、印象に残る物や色があるのはきついと思います。
雑誌だけで色々と分かるものなんですね!!
ドアや引き戸に折れ戸などの扉は、何の為に有るのか??
トイレやお風呂の扉はプライバシーを守る為に有るので付けます。
個室も同じ意味合いで付いている。
ではクローゼットの扉は何のため??ほこりが侵入しないためと雑然さを見せたくないという理由でしょうか??
でも、エイジングハウスの家ではほこりがあまり目立ちません。
よって扉は不要です。
また設計の仕方で寝室などに設ける事で他人に見せなくすると扉は不要になる。
シューズクロークの扉は臭いが外に出ないように付ける。
でもエイジングハウスの家は消臭効果があるので扉で仕切る事などありません。
エイジングハウスの家では扉の多くが必要ではなくなると考えられます。
よって恐ろしく少ない建具で設計されていきます。
もう一つの理由に「高い断熱性能」という事もあります。
局所の冷暖房ではなく、家全体で考えるので、細かく仕切らなくていいわけです。よって、やたらと扉の多い家は断熱性能が低いと考えたほうが良いでしょう。
玄関ホールからローカに入るところに扉があり、ローカからリビングに入るところにも扉がある。
リビングから階段に行くローカにも扉がある。
子供部屋に入る扉が当然ある。
玄関ホールから子供部屋まで4か所の扉を開け閉めしないと到達できません。
エイジングハウスの家では子供部屋の扉だけの開閉で大丈夫。
他の扉は省略しているのでありません。
理由は無くても部屋の温度差が無いからです。
家全体が快適なので細かく仕切る事などありません。
内部の建具工事の金額は普通の家の1/3ほどでしょう。消えた予算は他に使う事になります。
扉に予算を割いてもしょうがないからです。
家に対する考え方でしょうが、
何に投資するのか??扉ではないような気がします。