南に建っている家のせいで、
敷地の半分近くが日陰になってしまう
約55坪の土地に建つ家の多くが、
総2階建ての家です。
その理由は、日陰を避けて
家を建てようとするからなのですが、
この結果、前回お伝えしたような
使いにくい家になってしまいます。
また、薄暗く開放感もない家に
なってしまいます。
それゆえ、使いやすい家にするためには、
また明るく開放的な家にするためには、
そもそも根本から改善する必要があります。
つまり、わざわざ日陰を避けて
家を建てようとしなくても良い
というわけですね。
そして、その呪縛から解き放たれると、
明るさとプライバシーが両立された
素晴らしい間取りが
出来上がることになります。
また、無駄のない使いやすい住まいが
出来上がることになります。
では、この土地では、
どのような家にすべきなのでしょうか?
平屋という選択肢
この土地の場合、
平屋を建てるには十分な広さがあるので、
まずは平屋に出来ないかを考えるべきです。
しかし、平屋にすれば、
日陰となる部分にも
家をつくることになるため、
光の採り込み方に工夫が必要となります。
例えば、日光をたっぷりと採り込みたい
リビングダイニングキッチンは、
南からの光がたっぷりと採り込める位置に
レイアウトするようにしなければいけません。
また、同時に洗濯物を干すところにも、
日光がたっぷりと当たるようにしたいので、
そこも南からの光が採り込める位置に
レイアウトしなければいけません。
しかし、この2つの場所以外は、
明るくすべきではあるものの、
必ずしも南からの日光が必要
というわけではありませんよね?
玄関。お風呂。トイレ。収納。
これらはもちろんのこと、
寝室だって、南からの光に
こだわる必要はありませんよね?
そして、これらをの場所全てを
安定的に明るくなるように
つくることが出来るならば、
かつ、リビングダイニングキッチンや
洗濯テラスを日光がたっぷりと当たる場所に
つくることが出来るならば、
間違いなく平屋にするのが、
ベストであることは間違いないんですよね。
例えば、あなたが家を建てる土地が、
東側が道路に接している
間口11m、奥行き16.5mの55坪の土地で、
その南に2階建の家が建っており、
そのせいで、敷地の半分ぐらいまで
日陰になってしまっているとしたら、
どのようなお家を建てるべきでしょうか?
さらに、南に建っている家の外壁の色が黒で、
かつ、西と北にも家が建っており、
道路面以外全て家に囲まれているとしたら、
そこにどのようなお家を建てるのが
最も理想的なのでしょうか?
この場合、一般的には、
日陰になってしまった部分を避けて
家を建てようとするでしょう。
つまり、陰になっていない部分にだけ
家を建てようとするため、
必然的に2階建ての家になるというわけですね。
そして、1階の日光が入ってくる場所には、
リビングダイニングキッチンや和室をつくり、
日が当たらなくていい場所には、
お風呂や洗面やトイレといった
水回りを配置することになるでしょう。
2階には、寝室や子供部屋といった
プライベートルームを配置し、
出来るだけ、全ての部屋を
日当たりがいい南に配置し、かつ、
その南にはベランダをつくることでしょう。
さらに、道路面となる東からも
朝の光がたくさん採り込めることから、
東にも大きな窓をつくり、
東と南からたくさんの光が
採り込めるようにするでしょう。
これが、この土地に建つ、
最もポピュラーな間取りですね。
ですが、残念ながらこのお家は、
実際住みだすと、様々なデメリットに
苦しみながら暮らすことになってしまいます。
例えば、1階のリビングにつくった
大きな窓から見える景色は
どのようなものでしょうか?
家を建てようと思っている土地の
南に3階建ての家が建っていて、
その北側は敷地の一番北まで
日陰になってしまうとしたら、
どのような家にすればいいのでしょうか?
この答えは、
建築地の広さによって異なるのですが、
もし、この建築地が100坪あった場合、
あなたなら、一体どのような
家が建つと想像されるでしょうか?
この土地は、幸いなことに、
3階建の影響を受ける部分のほとんどが、
駐車場として使う部分であり、
家が建つ部分の南に建っている家は、
平屋であるため、そもそも
それほど日照を心配する必要がないことから、
平屋のお家を建てることが
最も妥当な選択となります。
もちろん、平屋を建てるとなると、
3階建ての陰にかかってくる場所も出来るし、
3階建ての家から
見下ろされることも想定した上で、
間取りを考えなければいけないし、
西側接道であるため、
西日を遮断しながら
採光を確保する必要があるので、
こういったことも考慮しながら、
間取りを考えていかなくては
いけないんですけどね。
しかし、どんな家にするかは
土地の環境が最も大事であるものの、
それだけじゃなく、
もう1つ大事なことがありますよね?
それは、「予算」です。
では、あなたが家に仕える予算が、
消費税も含めて2500万円だったとしたら、
あなたはどのような選択をされるでしょうか?
また住宅会社は、その予算で、
一体どのような提案をするのでしょうか?
多くの住宅会社が、
土地の広さや土地の環境に関係なく、
当たり前のように2階建てを提案します。
2階建ての方がコスパがいいからです。
つまり、あなたが望む広さの家を、
予算内で最も叶えやすいのが
寝室や子供部屋といった
プライバートスペースを全て2階につくる
いわゆる総2階建ての家であるため、
その提案が基本となるわけです。
北側接道で奥行きが短く、
かつ南に隣接して家が建っている
日当たりが悪い土地で家を建てる場合、
光の採り込み方に工夫が必要です。
一番南にリビングを配置し、
南面に大きな窓をつくったとしても、
そこからは全く光が入ってこないでしょうし、
光を補うために、
東や西に大きな窓をつくったとしても、
結局、カーテンで防いでしまうとしたら、
そこからも光が入ってこないからです。
また、道路面となる北からは、
安定して光が採れるかもしれませんが、
正面に窓をたくさんつくってしまうと、
防犯と景観がいずれも悪くなってしまう上、
メンテナンスコストが高くなってしまいます。
窓が外壁を汚す一番の原因だし、
北面は日光が当たらないため、
よりいっそう外壁が汚れやすくなるからです。
ではこの場合、どのようにして
室内に光を採り込めばいいのでしょうか?
日当たりが悪い土地に共通して言えることは、
リビングの位置を
南にこだわらないようにすべきである
ということです。
南に配置しても光は入ってこないからです。
南からの光を採り込むためには、
南の建物から充分な距離が必要です。
それゆえ、南に建つ建物から
充分な距離が取れる位置に
リビングを配置するという選択肢も
視野に入れておく必要がある
というわけですね。
リビングの位置をずらしただけでは、
まだ充分な光が採り込めないとしたら、
吹抜けをつくることも
視野に入れておくべきです。
より高い位置から
光を室内に採り込むというわけです。
吹抜けの窓からは安定して光が入ってくるし、
空も見えるし、開放感も出ますしね。
ただ、吹抜けにはメリットもあれば
デメリットもあるため、
そのデメリットを打ち消す工夫も
同時にする必要があります。
例えば、吹抜けをつくれば、
少なからず耐震性は悪くなってしまいます。
吹抜けがあるということは、
2階建てということでもあるので、
強風や車両により
振動の影響も受けやすくなるし、
2階建ては2階に仕切りが多くなるため、
上からの荷重負担が大きくなるからです。
吹抜け部分は空洞になっているわけですしね。
それゆえ、バランスを考えた
間取りづくりや窓のつくり方が
非常に大事になってくるというわけですね。
また、吹抜けがあれば、
そこに熱が逃げていくことになるため、
断熱や暖房のことも
考慮しておく必要があります。
もちろん、断熱性能が高いことは、
現在の家では標準的なことなので、
それは当たり前だとして、まず考えるべきは、
無駄に窓を多くつくらないということです。
いくら窓の性能が
以前より高くなったとはいえ、
壁よりも圧倒的に断熱性能は劣るからです。
例えば、以下の2つの選択肢があった場合、
あなたはどちらを選ばれますか?
1つは、親が所有している土地があり、
そこに家を建てれば土地代は必要なくなるが、
土地が狭く、
かつ南に隣接して家が建っており、
どう考えても日当たりが悪い。
そして、もう1つは、
住みたいと思っている地域で
土地を買うという選択肢。
しかし、少なくとも
1000万円予算が上がってしまい、
毎月の返済が3万円以上違ってくる。
さて、あなたなら、
どちらを選ばれるのでしょうか?
もちろん、この選択は、
あなたの年齢や収入、
自己資金の加減によって
違ってくるものなので、
正解があるものではないのですが、
「わざわざ新たに土地を買う必要はない」
と個人的には考えています。
たとえ、その土地が
日当たりが悪かったとしても、です。
例えば、間口が14.5mで奥行きが8mの
北側接道の約35坪の土地があり、
すぐ南に隣接して2階建ての家が
建っているとしましょう。
冬の午後にこの土地を見ると、
この土地は南の建物によって、
敷地の多くが日陰となっています。
それゆえ、パッと見た瞬間、
全く日が当たらない最悪の土地であると感じ、
検討の土台にすら乗らないかもしれません。
この土地の場合、
リビングを家の一番南に配置しても、
全く意味がないことは
お分かりいただけると思います。
であれば、その配置をしないようにすれば
良いだけなのですが、
なぜか、多くの方が
その選択肢すらありません。
結果、必然的に日当たりが悪い土地を避け、
日当たりが良い土地を買おうとするのですが、
日当たりが良い土地で、
家の南にリビングを配置したらしたで、
今度は丸見えを嫌って、
カーテンが開けられない閉鎖的で薄暗くて、
居心地が悪い家をつくってしまいます。
また、台風や防犯に備えて
シャッターも多く必要になるし、
プライバシーと防犯を担保するために、
塀や目隠しや植栽などにも
多額の費用が必要になります。
つまり、土地代が余分にかかるだけじゃなく、
家や外構にかかるコストも
割高になってしまうため、
3万円どころか下手したら4〜5万円も
毎月の負担が上がってしまうかもしれない
ということなんですよね。
それゆえ、別で土地を買っても、
そもそもの設計の考え方を変えない限りは、
ほぼ意味がないというわけです。
この土地は、わずか35坪しかなく、
車を2台とめつつ家を建てようと思うと、
必然的に2階建てとなるため
明るさ、開放感、プライバシー、
防犯はもちろんのこと、
洗濯、片付け、掃除といった
家事のしやすさにも、
十分な配慮をしなければいけません。
リビングをいかに散らかりにくくするのか?
洗濯物を干しに行く動線と取り込む動線、
そして、洗濯物をたたむスペースと、
それらを片付ける動線を
いかに効率的に出来るか?
といったことですね
変動型の住宅ローンのメリットは、
固定型に比べて金利が安いことです。
また、借入時にかかる経費が、
固定型よりも少ないのも変動型の大きな魅力です。
この他、固定金利に比べて、
貸し出し条件に融通がききやすいのも
この変動型住宅ローンの
隠れメリットなのですが、
とはいえ、誰もが変動金利を
選んでいいわけではありません。
その理由は、返済が終わるまでずっと
返済金額が固定されないからです。
つまり、3年後や5年後、10年後に
返済金額が変わってしまうかもしれない
ということですね。
それゆえ、変動型の住宅ローンは、
選んでもいい方と選ぶべきじゃない方に
分かれるんですよね。
では、選んでもいい方は、
一体どういう方なのでしょうか?
✔︎借入金額が少ない方
若干、抽象的な表現になってしまいましたが、
一体どれくらいが少ないのか?というと、
個人的には1500万円以下だと思っています。
となると、土地を持っていることは最低条件で、
かつ、自己資金をそれなりに入れられる人
ということになります。
あるいは、親からの援助が
かなり期待出来る方ですね。
この理由は、借入金額が少なくて済むと、
返済期間を短く設定することが
出来るからです。
例えば、返済期間を20年で設定出来れば、
10年後に金利が変わる
変動型の住宅ローンを選んだとしても、
大してリスクがありません。
ほぼ半分返済が終わっているため、
多少金利が上がってしまっても、
返済金額にそう大きな影響がないからです。
また、この場合、
金利見直し時に、
他の銀行で借り換えすれば、
再び最安のキャンペーン金利で
返済していくことが出来るようになるし、
あるいは、それを阻止したい銀行が、
いい条件を提示してくれるかもしれないので、
結局、返済金額も上がりにくい
というメリットも享受出来るんでんすよね。
住宅ローンには、
変動金利と固定金利の
2つの種類がありますが、
どっちの方が良いかは一概には言えません
しかし、それぞれに、
メリットとデメリットの両方が存在し、
それらは、あなた自身の状況によって
良い方向にも働けば、
逆に悪い方向にも働くものなので、
まずは、あなた自身の状況に
どちらが適しているのかを
知ることが大切です。
そんなに難しい話じゃないので、
ぜひ参考にしていただければと思います。
では、まずは、
固定金利を選んだ方が良い方からいきますね。
土地から買う方で、
土地をキャッシュで買うことが出来ない方
土地から買うとなると、
土地をお持ちの方に比べて、
土地の取得費用が丸々余分にかかります。
となると、当然のごとく
借入金額も大きくなり、
毎月の返済金額とのバランスを考えると、
どうしても返済年数を
長くせざるを得なくなってしまいます。
そして、返済年数が長くなればなるほど、
リスクは高くなっていきます。
安定した収入があるのか?や、
勤めている会社が存続しているのか?や、
そもそも元気に働けているのか?
といったことが、
予想しづらくなるからです。
また、貯蓄が出来ない(苦手な)方も、
固定金利を選んでおいた方が賢明です。
家づくりをする時に、
自己資金を全く入れられなかったり、
それほどいれられなかった方は、
貯蓄が苦手な方だと思うので
固定がオススメです。
変動金利と固定金利の一番の違いは、
途中で金利が変わるか、変わらないかです。
そして、もちろん変動金利は、
途中で金利が変わるのですが、
この金利変動時にどういうことになるのかは、
現時点で分かりません。
もちろん、土地の広さだったり、
土地の形だったり、土地の環境によっては、
たとえ平屋が建てられる土地でも、
2階建てにせざるを得ない場合もありますが、
それらの条件をかんがみて
問題なく平屋が建てられるとしたら、
ぞの選択肢を取るべきです。
耐震性、耐久性、将来性、住みやすさ、
コスト、これら全てにおいて、
2階建てよりも優れているからです。
それゆえ、前回ご紹介させていただいた
南側接道の間口9m×奥行き18mの
50坪の土地でも、
まずは、平屋に出来ないかを
考えるべきなんですよね。
この土地の一番の特徴は、
南側接道であるがゆえに、
光を阻害されるものがないということです。
例えば、あなたが買う土地が、
50坪だとしたら、
どのような家を建てるのでしょうか?
また、その土地の間口が9mで、
奥行きが18mだとしたら、
どのような間取りになるのでしょうか?
さらに、その土地が南側接道だとしたら、
どのような暮らしをイメージしながら、
間取りや外観を決めていくでしょうか?
このような条件を持つ土地の場合、
一般的には2階建ての家が建ちます。
1階にはリビングダイニングキッチンと
水回りとタタミコーナーがあり、
2階には、寝室と子供部屋と納戸があるお家です。
そして、水回りを北に配置しつつ、
居室を可能な限り南に配置し、
2階には大きなベランダを設置し、
1階にはウッドデッキを設置します。
もちろん、南につくった居室には、
大きな窓をつくり、
南からの光をたっぷりと採りこみつつ、
ベランダやウッドデッキに
出られるようにするでしょう。
いかがでしょう?
果たして、開放的で日当たりがいい
南側接道の土地の良さを
ふんだんに生かした
住まいの出来上がりです!
ということに、なるのでしょうか?
果たして、想像通りの
明るくて開放的で、
居心地が住まいの出来上がりです!
ということになるでしょうか?
ならないですよね・・・
だって、外から丸見えに
なってしまいますもんね。
では、丸見えを隠す作業をしていきましょう。
まずは、外から見える大きな窓には、
全てカーテンをつけていきます。
でも、レースだけでは心もとないので、
遮光カーテンもにつけないといけませんね。
厳しい直射日光も
ガンガン入ってくるわけですしね。
結果、家の中が薄暗くなってしまい、
想像していた家と180度違う
家が出来上がってしまいます。
さらに余分なコストまで
かけたにもかかわらず、です。
ウッドデッキも丸見えでは
使いづらいですよね。
ですから、植栽や目隠しを
せざるを得なくなります。
あるいは、丸見えのまま放置し、
ずっと使わないまま飾りとして
放置するかの選択を
余儀なくされるというわけです。
ベランダで洗濯物を干すと
とってもよく乾きそうですよね。
でも、洗濯物も丸見えになってしまうため、
家の景観はそれだけで
台無しになってしまうと思いませんか?
また、干しに行くためにわざわざ上に上がり、
たたむために再び下に降りてきて、
最後は片付けるために、
また上に上がらなければいけないとしたら、
これって良い家事動線だと思いますか?
ですよね・・・
超非効率ですよね。
まだ、ありますよ!
このお家はとっても
片付けや掃除がしにくい家になってしまうんです。
その一番の理由は、
子供部屋がうまく活用出来ないからです。
親のそばに居たいのが子供だし、
ただでさえ片付けもしないのに、
さらにそれを上に持ってけって言っても、
持っていくわけないのが子供ですからね(笑)
で、リビングに何もかもが集まり、
常に散乱してしまうというわけです。
言われていると確かにと思う、
簡単な話だと思いませんか?
これらを要約すると、
明るくもなければ、開放的でもない、
そして、家事動線もよくなければ、
片付けや掃除もしにくい家を、
より高いコストをかけながら建てているのが、
一般的なお家というわけですね。
では、次回は、
この土地に建つ一般的じゃない家を
ご紹介させていただこうと思います。
こういったお家を常識だとするならば、
めっちゃ非常識だらけの家なので、
ぜひ楽しみにしていてくださいねっ!