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Blog共働きの間取りは「洗濯動線」で変わる。 家事時間を減らす“移動ゼロ”の家づくり
朝は子どもの支度をしながら洗濯機を回し、仕事から帰れば夕食の準備。ようやく洗濯物が乾いても、畳んで家族それぞれの部屋へ運ばなければならない。
共働き家庭の家事が大変なのは、作業そのものだけが原因ではありません。
- 洗濯物を持って階段を上がる
- 乾いた服を別の部屋へ運ぶ
- 家族ごとの収納に振り分ける
- 買い物や外遊びから帰るたびに家の中を往復する
こうした小さな移動の積み重ねが、毎日の時間と体力を奪っています。
今回ご紹介するのは、奥さまが約10年かけて考えた、延床面積約34坪の2階建て住宅。洗濯室、ファミリークローゼット、寝室などを1階に集約し、平屋のように暮らせる間取りです。
家事を楽にするために必要なのは、便利な設備を増やすことだけではありません。大切なのは、家事が始まってから終わるまでの移動を減らすことでした。
家事の負担は「作業時間」より「移動」で増えていく
洗濯という家事を細かく分解すると、想像以上に多くの工程があります。
- 洗濯物を集める
- 洗濯機へ入れる
- 洗う
- 干す、または乾燥機へ移す
- 取り込む
- 畳む
- 各部屋の収納へ運ぶ
- しまう
洗濯機の性能が良くなっても、洗濯物が自動でクローゼットへ移動するわけではありません。
たとえば、洗濯室が1階、バルコニーと子ども部屋が2階、主寝室の収納が別の場所にある間取りでは、家族全員分の服を持って何度も家の中を移動することになります。
一度の移動は数分でも、それが毎日、何年、何十年と続けば大きな差になります。
だから間取りを考えるときは、部屋の広さや数だけを見るのではなく、洗濯物が家の中をどう移動するかまで確認することが重要です。
「洗う・乾かす・畳む・しまう」を数歩で完結させる
今回の住まいでは、独立した洗濯室に室内干しスペースとガス衣類乾燥機を設けています。
雨の日や花粉の多い時期でも、リビングに洗濯物を干さずに済むため、天候に左右されにくいのが特徴です。
さらに重要なのが、洗濯室のすぐ隣にある約3.5畳のファミリークローゼットです。
乾燥が終わった服をその場で畳み、数歩移動するだけで収納できます。
つまり、
洗う → 乾かす → 畳む → しまう
という一連の家事が、ほぼ同じ場所で完結します。
家族それぞれの個室まで服を配る必要もなく、重い洗濯かごを持って階段を上り下りする必要もありません。
これが「移動ゼロ」に近い洗濯動線です。
ただし、ファミリークローゼットは広ければよいわけではありません。洗濯室から離れた場所に配置すると、結局は服を運ぶ作業が残ります。
大切なのは収納量だけではなく、洗濯室との距離とつながり方です。
平屋ではなく「1階完結型の2階建て」という選択
この家は2階建てですが、1階部分を広く取り、日常生活のほとんどを1階で完結できるように設計されています。
1階には、LDK、水回り、洗濯室、ファミリークローゼットに加えて主寝室も配置。食事、入浴、洗濯、着替え、就寝まで、普段の暮らしで2階へ上がる必要がほとんどありません。
この間取りには、共働き家庭の家事負担を減らすだけでなく、将来への備えという意味もあります。
家を建てる30代、40代の時点では、階段の上り下りを負担に感じることは少ないかもしれません。しかし年齢を重ねて足腰が弱くなると、毎日寝室へ行くために階段を使うことが負担になる可能性があります。
主寝室や水回りが1階にあれば、暮らし方を大きく変えずに住み続けやすくなります。
一方、2階には子ども部屋や書斎、季節用品をしまう収納を配置。子どもが小さい間は広い一室として使い、成長に合わせて仕切ることも想定されています。
1階は毎日の生活、2階は家族の成長や変化に対応する空間。
平屋のような暮らしやすさと、2階建ての柔軟性を組み合わせた考え方です。
帰宅後の動きも、間取りで短くできる
家事動線を考えるとき、洗濯と同じくらい見落としやすいのが「帰宅動線」です。
この家の玄関には、土間と一体になった約3畳の収納があります。靴だけでなく、ベビーカー、外遊びの道具、雨具、コートなどもまとめて収納できる広さです。
濡れたコートや傘を掛けられるため、汚れや湿気をリビングまで持ち込みにくくなっています。
玄関近くには手洗い場があり、帰宅後すぐに手を洗えます。そこから脱衣室へ進み、汚れた服を脱いだり、必要であればお風呂へ直行したりできる回遊動線です。
子どもが泥だらけで帰ってきた日も、
玄関 → 手洗い → 脱衣室・浴室 → リビング
という順番で移動できます。
手洗い場を玄関に設けること自体が目的ではありません。帰宅後にどこを通り、上着や荷物をどこに置き、どこで着替えるのかまでつなげて考えることで、初めて使いやすい動線になります。
家事を楽にするのは、目立つ設備だけではない
約22畳のLDKには、海外製の大容量食洗機やタッチレス水栓など、日々の家事を助ける設備も採用されています。
ただし、参考にしたいのは設備の種類だけではありません。
キッチンでは、使用する家電を設計段階で想定し、家電の位置に合わせてコンセントを配置。モデムやルーター、テレビ配線などは裏側の収納へまとめ、生活空間から見えにくくしています。
また、階段下には高さ約35cmの小上がり畳コーナーを設け、その下を引き出し収納として活用。おもちゃや来客用品をすぐ片付けられるほか、お掃除ロボットの充電場所も階段下に収めています。
このような工夫に共通しているのは、使った物が、その場で片付くことです。
収納が多くても、使う場所から遠ければ片付けは面倒になります。反対に、必要な物を使う場所の近くへ収納できれば、家事は自然と短くなります。
注文住宅の間取りを考えるときは、「収納は何畳必要か」だけでなく、次の点まで確認してみてください。
- どこで使う物なのか
- 使った後、何歩で片付けられるか
- 家族の誰が片付けるのか
- 扉を開けたままでも通行を妨げないか
- 10年後も同じ場所で使う物なのか
収納は面積ではなく、位置と使い方で考えることが大切です。
間取り図には「家族の一日」を書き込んでみる
暮らしやすい間取りを判断するには、完成した図面を眺めるだけでは不十分です。
図面の上で、家族の一日を実際にたどってみましょう。
朝起きてから、着替える場所。洗濯物を集める場所。料理中に子どもが過ごす場所。買い物から帰って荷物を置く場所。入浴後に着替える場所。そして、乾いた服を収納する場所。
その動きを線で結ぶと、何度も往復している場所や、家族の動きがぶつかる場所が見えてきます。
今回の家で参考になるのは、個々の設備よりも、家事の始まりから終わりまでを一つの流れとして考えていることです。
「ランドリールームが欲しい」「ファミリークローゼットが欲しい」と部屋単位で要望を出すだけでなく、
「洗濯が終わった後、どこで畳み、誰の服をどこへしまうのか」
まで住宅会社や設計者に伝えると、自分たちの生活に合った間取りへ近づきます。
【まとめ】
家事時間を減らす間取りで覚えておきたいこと
- 洗濯室とファミリークローゼットを近づける
- 「洗う・乾かす・畳む・しまう」を一つの流れで考える
- 玄関から手洗い、着替え、浴室までの帰宅動線を確認する
- 主寝室や水回りを1階に集めると、将来も暮らしやすい
- 収納は広さだけでなく、使う場所からの距離で決める
家事を楽にする間取りとは、単に動線が短い家ではありません。
家事の途中で物を持ち替えたり、引き返したり、別の階へ運んだりする回数が少ない家です。
間取りを検討するときは、部屋の広さだけでなく、家族が毎日どのように動くのかを想像してみてください。その数歩の違いが、これから何十年と続く暮らしやすさを左右します。
実際の間取りと住まいの工夫を動画でご覧いただけます
今回のYouTube動画では、約34坪の2階建て住宅を映像で紹介しています。
約3.5畳のファミリークローゼットと洗濯室の位置関係、玄関から手洗い・脱衣室へつながる回遊動線、1階に主寝室まで配置した間取りなど、文章だけでは分かりにくい距離感を実際の映像と間取り図で確認できます。
約3畳の玄関収納や22畳のLDK、階段下の小上がり収納など、限られた面積を活用する工夫も紹介しています。
【▼元のYouTube動画はこちら】
暮らし方から考える、AGEING HOUSEの家づくり
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